私が助けない方が助かる お互いのためになる距離感
普通に親切にしただけなのに、興味のない人に言い寄られる、友人からLINEが立て続けに送られてくる、SNSの依存気質の人に絡まれる…。
依存的な人はさまざまな手段で思いをぶつけてきます。
親切に返事をすればするほどエネルギーを吸い取られて、ぐったりしてしまうこともあるのではないでしょうか。
「『もういい加減にして!』と言い返したいけれど、勇気がいる…」
「相手を傷つけない程度にやんわりと断ることはできないか…」
そう考えているうちに、またしつこいLINEが届くということもあるかもしれません。
こういった悩みを抱えているあなたは、きっとやさしくて真面目で、親切な人なのだと思います。でもその分、温かい心が踏みにじられると、怒りがたまってモヤモヤしたり、
相手のお世話で疲弊してしまいますよね。
そのうち、我慢も限界になって、
「忙しいの!」
「今はちょっと無理!」
無既読無視・いつもより遅く返信
と距離をおいてみるものの、今度は
「言い過ぎたかな…?」
「相手が変なふうに受け取っていないかな…?」
と後味の悪い感覚に陥り、結局落ち込む、という経験をしたことはありませんか?
人から、「助けて!」と言われると、人は「よし! まかせて!」
と、条件反射のように助けるものです。
手を差し伸べることや心を尽くすことは、決して間違いではありません。
ただ、依存的な相手の場合は、こちらの気持ちの使い方を変えていくことが必要です。
あなたのためにもなりませんし、相手のためにもならないからです。
とはいえ、底なしの依存心を持つ人への対応は、一筋縄ではいきません。
あなたが散々話を聞いてあげたのに、全く相手がおさまらないということもあるでしょう。
そんなとき、突然あなたが「もう無理!」と投げ出してしまうと、相手との関係はより面倒なものになる可能性があります。
拒絶されたという気持ちが増して攻撃的になったり、自虐が加速したり…と、手をつけられなくなってしまいがちです。
相手を助けよう、役に立とうという自己犠牲的な思いが、人付き合いを厄介なものにすることもあるのです。
基本的に、「付かず離れず」という距離感を目指すといいのですが、プライベートであれば、好きでもない人と無理に付き合う必要はありません。
巻き込まれる前に距離をとれるよう、依存心の強い人の心理を理解しておきましょう。
人に依存してしまう人の心理背景
いわゆる依存心の強い人は、
「淋しい…」
「わかってほしい…」
「よく見られたい」
「誰かとつながっていたい」
「どうにかしてもらいたい」
など、底なしの欲求を抱えています。
このタイプの中には、「自分は人から見捨てられる存在」「人は私を絶対に裏切る」という信念を持ってはいるものの、本当はそれを打ち消したい、つまり「人に受け入れられたい」「人を信じたい」と思って行動するという特徴があります。
ところが、現実の世界では、まるで「自分は人から見捨てられる存在」「人は私を絶対に裏切る」という信念を確かめるかのようなコミュニケーションパターンに陥っています。
厄介ですよね…。
特に自己犠牲やお節介したい、助けたい人にとって厄介なのは、依存気質の人は、あなただからかまってほしいのではなくて、誰でもいいから、誰かにかまってほしいと思っているところなのです。
あなたがかまってあげなくても、しっかりと他のターゲットを探すたくましさを持ち合わせており、他人に対して、まるで狩人のように、
「この人は巻き込みやすいか、巻き込みにくいか」
を見定めています。
相手が逃げていくと、依存気質の人は
「私はやっぱりひとりぼっち…」
「どうせかまってもらえない…」
といじけ、ずっとひとりで狩りを続けます。
ひとりでいじける分にはいいのですが、下手に他人がかまってしまうと、人に依存する「負の信念」を強化させてしまいます。
ですから、依存気質の人がこれ以上他人への依存を強め、苦しい人間関係を続けないですむように、あなたはかまわないほうがいいのです。
あなたがかまわないことで、むしろ依存気質の人が人への依存を辞めるきっかけになり、救われるかもしれません。
困っている人がいると見捨てられないタイプの人は、私が助けない方が相手が助かると思って、自分にとって無理のない範囲の関係を築くように意識してみてくださいね。