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なぜ推し活は人生に意味をもたらすのか?

日本ハムファイターズの50周年記念グッズが届いたので、その嬉しくてわくわくする感情から、ふとプロ野球選手のおっかけをしていたころは幸せだった。そして、また野球という推し活を再開してここ1年とても心が充実していることから、ふと、推し活がなぜ人生に意味をもたらすのか?を心理療法的な視点で書いてみようかなと思い立ちました。


推し活は人生の意味、生きる意味をもたらす大切な活動である!というお話を夜と霧で有名なホロコーストの生還者である精神科医フランクルの理論で解説しようと思います。


フランクルは、生きる意味は次の3つの価値によって実現されると唱えました。

創造価値
体験価値
態度価値

創造価値とは、何かを創りだすことで実現する価値です。仕事・芸術活動・家庭・ボランティアなど、想像しやすいと思います。ただ、フランクルはその仕事をした結果の大小や仕事自体の大小は関係なく、うみだす行動を行うことそれ自体の価値が生きる意味となると伝えています。


体験価値とは、何かを体験すること、何かを愛することで実現する価値です。創造価値が、積極的に活動することによって実現されるのに対して、体験価値は自分の周囲にあるものを受動的に自分の中に取り入れることによって実現されます。例えば、美しい絵画を鑑賞して感動するとか、好きなアーチストのライブで音楽と一体になるとか、誰かを愛したという喜びの体験で実現する価値のことです。


態度価値とは、自分ではどうすることもできないような苦悩に対する自分の態度によって実現する価値です。フランクルの通底にある、苦悩の中にも意味があり、絶望的な運命の苦しみの中にこそ本当の人間的な生き方の道がひらかれていくという態度で実現する価値です。たとえば、絶望の中でひたすら怒りに満ちて生きることもできますし、麻痺させるためにお酒を浴びるように飲むということもできますし、静かにおちついて対処することもできます、すべては自分で選ぶことができる、自分で決めることができ、苦悩の中ですら満たされることができるとフランクルは言いました。もちろん、そこには意味を見いだすための大きなエネルギーが必要でしょう。


カウンセリングの場面では、態度価値について向き合っていくことが多いかもしれません。

しかし、自分には生きる意味がない、生きる価値がないと相談される中には、創造価値や体験価値が人生の意味を実現する要素の一つとは知らず、苦しんでいるというケースも多々あります。


推し活の話になかなかならないなぁと思っていらっしると思いますが、3つの価値をざっと読んで勘の良い方は、そうかそれで推し活は人生に意味を与えるんだ!と納得されたと思います。


体験価値を実現する活動だから、私たちは推し活で幸せ・充実感・生きる意味を感じ取ることができるんですね。


推し活って素晴らしい。私も人生を振り返ると、推し活をしているときは、心が健康な時でした。人生が波乱万丈のころ、推し活はできておらず、態度価値の実現にいそしんでいたと思います。

人生の苦悩を抜けた今は、創造価値・体験価値で心の充実度のバランスがとれているように感じています。

そして、体験価値を実感しやすかった大きな要因は、やはり大谷翔平選手とWBCです。本当に純粋に応援し、その素晴らしい活躍を受動的に受動し、幸せしか感じない。こんな体験をしたからこそ、受動的な体験の意味に気づけたと思っています。同じ時代に生きていて、ライブで目撃することができる幸せ。


態度価値・体験価値・創造価値の実現という考えかたを知っていると、成功だ失敗だということに囚われたり、何かができるできないと能力を嘆くのでもなく、何かを成し遂げようとばかりでなくて、人生の意味、生きる意味を実現して生きやすくなりますね。


フランクル先生と大谷選手に感謝です。

皆さんも推し活で精神的健康と人生の充実を実現していきましょう〜


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